2014年07月04日
第一幕の始まり始まり 【やっちまった】
釣人の朝は遅くていい。
は毎回のフレーズで。
今回も朝はのんびりと起床。 いんや、のんびり過ぎる起床。
AM9時・・・・を過ぎてるし・・・・
朝食をガッツリと済ませ、
よっしゃ! 二日目のスタート! いざほんの少しだけ西へ!
行くぜ! 少しだけ寄り道して。
釣具屋さんの東の色と西の色は違いますねぇ~。
ケースが安い!のでゴト購入。
なんでここまできてかさばる邪魔くせぇーの買っちまったんだか。
後悔をするのは帰りの荷造りしている時まで分かるよしもない。
少し得した感を味わいながら現地に到着。
初めて見る景観。
初めて見る水色。
初めて見る流れ。
わくわく度が最高潮に達するときですね。
全景を見てまずは考える。
今までの経験してきたいくつもの引き出しをとりあえず開いて、
(しょぼい引き出しですけど)
求める一尾までどう辿り着かせるか頭をフル回転。
(求める魚の習性すらよく分かっていませんが)
この時こそが釣人の能力を発揮する時。
(かっこいい事だけは言うね)
と言っても真昼間でありお天道様は真上にあるし、見た目で分かりやすいところから。
(それみろ)
風は海方向から吹いているので同行したフライマンは、上流へ上流へとフラットを求め釣り歩く。
俺はと言えば、一番おいしいところは最後にとっておく性質。
まずはシャローが絡む日影へキャスト。
水深や底質、流れなどここの情報が知りたかったので、少し潜るルアーをチョイス。
ふむふむふむ。
こうじゃなさそうと流れの向きだけ把握して、直角にキャスト方向を変える。
ふむふむふむ。
こっちに流れの芯があるように思えて、今度は地形を周りの様相から推測。
あの辺だよなと、狙いを決める。
あの辺は向かい風の真正面。
風に負けないように弾道を低くしないと届きそうもない距離。
普段よりも垂らしを少しだけ長くし、まずは1投目。
とりあえずは普通にリトリーブ。
アップに投げてリトリーブ。
さらに普通にリトリーブ。
少し様子見。
少し見ていたら流れがヨレ出した。
ヨレの上流側へ投げヨレのど真ん中を通り過ぎた。
ラインが張ってリールが止まる。
巻けない。
体が覚えているようで、自然と合わせを入れている。
反転したときに白い腹が見えた。
ドラグでのやり取りはナシ。
ラインを切られる要素もナシ。
竿の曲がりはいい。
寄せる。
魚体が見えた。
見たことのない体高。
それに比べて頭が小さく見える。
尾は黒く丸い。
その尾鰭の運動を早めて反転をした。
軽い。
巻く右手に重みを感じなくなった。
左手の竿の曲がりは、ティップだけがブルブルと微かに振動しているだけ。
ウェーディングしていることを忘れて、その場にへたり込む。
真っ白とはこのことかな。
天も仰がなければ、うつむきもしない。
正面だけを見つめ、ただただ呆然とするだけ。
抑えようとしても手の震えは止まらない。
足にも力が入らず膝が笑う。
発した言葉もなぜか震えている。
『やっちまった』
体のすべてが軽くなった。
